あの家に、もう誰も帰らない。― そのとき何から始めればいいのか
2026/07/04
「実家、どうしよう」
相続の手続きを終えて、ふと気づく。
誰も住まなくなった家が、そのまま残っている。
片づけも、草むしりも、固定資産税の支払いも。「いつかやろう」が積み重なって、気づけば何年も経っていた。播磨町や加古川で、そんな実家を抱えている方は決して少なくないはずです。
売る?活かす?それとも壊す?それぞれの道で知っておきたいお金の話を、地元の制度と一緒に整理しました。
「放っておく」が、いちばんこわい
2023年の法改正で、「管理不全空家」という区分が生まれました。
窓が割れたまま、草木が伸び放題、近所から苦情が出ている。そんな状態で市や町から勧告を受けると、住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。
しかも、売るときに使える税の特例には期限があります。「いつかやろう」を続けるほど、選択肢は静かに狭まっていくんです。
「売る」なら。3,000万円特別控除の期限を先に確認
相続した空き家を売ったとき、売却益から最大3,000万円を差し引ける「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」。対象は昭和56年5月31日以前に建てられた一戸建てで、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件です。たとえば2024年に相続した家なら、2027年の年末まで。
さらに、制度そのものも2027年12月31日までの売却が対象です。延長されなければ、相続した時期にかかわらず、この日が最終の期限になります。また、相続人が3人以上いる場合、控除はひとり2,000万円に縮小されます。税額は家ごとに大きく変わるので、早めに税理士さんへ相談しておくのが安心です。
「活かす」なら。加古川市・播磨町の改修補助
リフォームして自分たちが住む、あるいは貸す道です。水まわりや内装を中心にした部分リフォームなら数十万〜500万円ほど、フルリノベーションなら500万〜2,000万円が目安。思い出の詰まった家を、次の暮らしへつないでいける。それがこの道の醍醐味です 🏠
加古川市には「空き家活用改修費補助制度」があります。市の空き家バンクに登録された市街化区域の住宅で、築20年以上、台所・浴室・トイレのいずれかが10年以上更新されていないことなどが条件。改修工事費が100万円以上の工事に対して、工事費の3分の1、上限50万円が補助されます。工事後10年以上、住まいとして使うことが前提です。令和8年度の受付は12月25日まで(予算に達し次第終了)。
播磨町の「空き家活用支援事業補助金」は、町内に事業所がある会社が改修することなどを条件に、工事費の60〜85%(住宅型で上限72万〜255万円)が補助される手厚い制度です。ただ、令和8年9月に県の予算が上限に達したため、現在は受付が止まっています。検討中の方は、播磨町の都市計画課で今後の見通しを確かめておくと安心です。
リフォームの進め方はこちらでもご紹介しています。
「壊す」なら。解体費の目安と、使える補助金
木造住宅の解体費は、建物本体で坪あたり3万〜5万円ほどが目安です。30坪の家なら90万〜150万円前後。ここにブロック塀や庭木、カーポートの撤去、残った家具や家電の処分が加わると、さらに数十万円かかることもあります。前面道路が狭くて重機が入りにくい土地や、アスベストを含む建材が使われている家は、費用が大きく上がります。加古川市のホームページには「解体費用シミュレーター」があり、見積もりを頼む前の目安をつかむのに便利です。
播磨町には「老朽危険空き家除却支援事業補助金」があります。解体工事費の3分の2、上限133万2,000円。ただし対象は、町の判定基準で100点以上となる「倒壊などのおそれがある空き家」で、所有者と配偶者が住民税非課税であることが条件です。申請の前に事前調査が必要なので、まずは播磨町の都市計画課(079-435-2366)へ。
加古川市の「隣接空き家一体利用除却補助」は、空き家を相続した側ではなく、お隣の狭い土地と空き家を買い取って一緒に使う人のための制度です(解体費の5分の1、上限25万円)。「お隣さんに買ってもらえないか」を考えるときの後押しになります。
そしてもうひとつ。3,000万円特別控除は、解体して更地にしてから売る場合にも使えます。2024年からは、建物を残したまま売り、買主が翌年2月15日までに解体や耐震改修をする場合も対象になりました。解体費を先に自分で出すか、買主に任せるか。売り方とセットで考えると、手元に残るお金が変わってきます。
なお、更地にすると住宅用地の特例が外れ、翌年から土地の固定資産税が上がる点も頭に入れておきたいところです。
どの道でも、最初の一歩は「家の状態を知ること」
建物の傷み具合、耐震性。直すならいくら、壊すならいくら。それが分かるだけで、判断はぐっとしやすくなります。
税金のことは税理士さん、売却は不動産会社さん、建物のことは工務店。それぞれに早めに声をかけておくのが、いちばんの近道ではないでしょうか。
MatsuHomeでは、「まだ検討中」という段階からのご相談も、いつでもお待ちしています。
対応エリア:播磨町・稲美町・明石市・加古川市・高砂市(その他のエリアも対応しています)


