海が近いこの町で、家を建てるということ
2026/06/27
「この町が好き。でも、水害が心配で──」
播磨町、加古川、高砂、明石。
瀬戸内海に面したこのエリアは、穏やかな気候と平坦な地形が暮らしやすい。
でも、海抜の低い土地だからこそ、大雨や高潮のリスクとは正面から向き合う必要がある。
2011年の台風12号では、加古川流域で1時間に69mmの豪雨を記録。
兵庫県全体で床上浸水1,364戸、床下浸水5,496戸。
「うちは大丈夫」と思っていた家にも、水は来た。
だからといって、この土地をあきらめる必要はない。
「建て方で備える」という選択肢がある。
足元を上げる、という発想
木造住宅の場合、建築基準法では地盤面から床まで45cm以上と定められている。
ただし、これはあくまで最低ライン。
設計GL(建物まわりの地盤面の高さ)を前面道路の側溝より20〜30cm高く設定する。
基礎そのものを通常より高くつくる。
敷地全体に盛り土をして、地盤面ごと持ち上げる。
たったこれだけで、「水が敷地に入りにくい家」になる。
地味だけれど、いちばん確実な備え。
水の「入り口」をふさぐ
家には、水の侵入経路がいくつもある。
・玄関や勝手口の開口部 → 脱着式の止水板(防水板)で対応
・排水管からの逆流 → 逆流防止弁を設置
・外壁の隙間 → 防水性の高い外壁材や塗装を選定
こうした設備は、新築の段階で組み込んでおくと後付けよりコストを抑えやすい。
見た目もすっきり収まるし、いざという時にあわてなくて済む。
「もしも」の後を想定した間取り
それでも、想定を超える水が来る可能性はゼロにはならない。
だからこそ、間取りの段階で「浸水後の暮らし」まで考えておくという手がある。
LDKや寝室を2階に配置する。
エアコンの室外機や給湯器は、想定水位より高い位置に設置する。
1階はガレージや土間収納を中心にして、万が一浸水しても生活への打撃を最小限にする。
水害に「遭わない家」だけでなく、「遭っても立ち直れる家」という考え方。
これが、海抜の低い町で家を建てるときのもうひとつの知恵ではないでしょうか。
まず、自分の土地を知ることから
播磨町や加古川市、高砂市では、自治体がハザードマップを公開している。
洪水・高潮・津波、それぞれの浸水想定を重ねて見ることで、自分の土地のリスクが具体的に見えてくる。
南海トラフ巨大地震では、播磨沿岸に最大2〜3mの津波が到達する想定もある。
地震発生からおよそ110分。その間に何ができるかも含めて、家づくりの段階で考えておきたい。
「この町が好きだから、ここに建てる」
その想いを、設計の力で支えることはできる。
MatsuHomeでは、「まだ検討中」という段階からのご相談も、いつでもお待ちしています。
対応エリア:播磨町・稲美町・明石市・加古川市・高砂市(その他のエリアも対応しています)


